新着情報 | 鍼灸とBody Care フロント・アンド・リア - Part 21の記事一覧
チェスも将棋も2人で行うボードゲームの一種です。
この2つの起源は、古代インドのチャトランガというゲームにあるという説が最有力です。
このゲームの違いはなんでしょうか?
チェスの駒は白黒に分かれています。それに対して将棋の駒は同じ作りです。
チェスは色が違うので、奪った駒はその時点で役目は終わります。
(良い部分と悪い部分はハッキリ区別されています)
将棋の駒はと言うと、敵味方は盤上に並べられて初めて決まります。
箱の中では敵味方はありません。(身体の中の五蔵は全て仲間です)
さらに奪った駒は再び使えますし、ひっくり返すと格も上がります。
(助けたり、協力し合い、時に今までとは違う働きに変化させてもバランスを保とうとする)
何が言いたいか!
考え方が何かに似ていませんか?
そうです。
チェスは西洋医学、将棋は東洋医学。
チェスの黒い駒は病巣、白い駒は正常細胞。
悪い物を切除したり殺したりして、めでたしめめでたしめ。
将棋の駒に敵も味方もありません。
悪いところも元々は自分と同じ駒だったはず。
奪った駒を自分の味方につけたり、今までにない役職、権限を与えたりと、使えるものは全て利用します。
例えば、腎臓の病があったとしましょう。
チェスは、悪いところを切除したり、移植したり、人工透析したりします。
黒い駒だけを対象に治療します。
将棋は、敵も味方も同じ駒なので、全部を使って治療します。
先ずは味方の状態から。
腎の親は肺、子は肝なので、肺が強いとエネルギーがたくさんもらえます。
肝もエネルギーがたくさんあると、腎にエネルギーが溜まります。
(腎・肺・肝は親子です)
これを相生と言います。
次に敵の状態。
攻めてくる脾のエネルギーが弱いと腎のダメージが少なくて済みます。
また、こちらが攻める心のエネルギーが弱いと腎のエネルギーの消費も少なくて済みます。
これを相克と言います。
(腎から見て反りの合わないグループです)
このように、身体全体を使って治すのが東洋医学です。
西洋医学は、正常値や基準値を重視して、心身が一定の状態を保つことが健康であると考え、そこから外れたら病気であり、悪いものは除去すると言う医学です。
東洋医学は、体調は常に変化するものと考え、体内のバランスがどう崩れているかに着目し、患者自らの力でそのバランスを取り戻せるように治療していく医学です。
チェスも将棋も一長一短あります。
両方のいいとこ取りが理想の医学です。
病院やクリニックは医療行為を行うところ、すなわち診療するところである。
方や我々の鍼灸は医療類似行為であるので、診療ではなく施術するところとなる。
前者の仕事は診療時間で、後者の仕事は営業時間となる。
営業であれば、商売である。
商売には金はつきもの。
資格を持っていればどういうやり方をしようが、どういう目的を持とうが自由である。
病気を治すのを生業にするか、お金儲けのための施術をするか、先生ごとに思いは違う。
(鍼灸はお金儲けに適した商売ではないので、儲けたいならやめた方が賢明である)
要はどちらの考えでも、患者様(お客様)に満足していただければ良いのであって、いい悪いの問題ではない。
只、猫も杓子も開業するので、施術所の数もかなりの数に上っている。
そして、その数もさることながら、名人と駆け出しの技術力の差も歴然で、満足いただけないケースも多く発生している。(昔と今では鍼灸学校で教える技術にかなりの差がある)
開業は簡単にできるが、鍼灸の技術が伴わないケースや東洋医学が不勉強であるケースなど、なんちゃって鍼灸師の多いのも事実である。
続く
最近、鍼灸に対する低い評価を目にしたり聞いたりすることが多くなった。
鍼に何ヶ月も通っても一向に良くならない、灸をして火傷をした、行ったが鍼のできる先生が不在であった等、
エッと思ってしまう事が実際にあるようである。
そもそも鍼に関しては、痛みの閾値というものがあって、西洋医学で言えば麻酔をかけたのと同じようなもので、痛みが消えない方がおかしい。(鍼麻酔と病院の麻酔とは仕組みが全く違います)
ではなぜ痛みが消えないのか?
通常、一番痛いボス穴(山に例えると一番高い山)を中心に周囲にも痛みが広がっているため、痛い部位が多く存在する。
ここもあそこもと圧痛部位が多く存在する中からボス穴を見つけて治療すれば、すぐに痛みは消失する。
だから、ザコ穴にいくら時間をかけても、なかなか変化せずに時間切れになってしまう。
これを繰り返すだけでは、何ヶ月もかかるのは当然である。そのうちに痛い部位が埋もれてしまって症状固定ということになる。完全には治らないまま、その中途半端な状態に身体が慣れてしまう。
神経の支配領域の解っている西洋の麻酔でも、効かせたいところからズレてしまうと痛みが消えず処置はできない。
鍼が上手くなるためには、練習あるのみである。打って打って打ちまくれば、ボス穴とザコ穴の違いがハッキリわかるようになる。ザコは後回しにしてボスに集中すれば、すぐに変化が起こり(変わっていく様も解るようになる)、
痛みから解放される事となる。
続く
鍼灸院に、肩こりや腰痛で通っている方は多いと思います。
しかし、実際は殆どの病気や症状に対応できる実力を持っています。
東洋医学の用語に、先天の元気と後天の元気というものがあります。
先天の元気とは腎のことで、生まれた時から持っている先天的な生命力です。
生涯にわたって成長・発育・生殖に関わる働きを左右します。
後天の元気とは、脾のことで、食べ物などから後天的に生命力を補充します。
先天の元気は、単独では生命力を発揮することができません。
後天の元気と結びつくことで、その生命力が目覚め、活性化します。
例えるなら、種(先天の元気)はそのままでは芽が出ることはありませんが、土に植えて水を与える(後天の元気)ことで、芽が出て生命活動が始まります。
腎と脾の二つは五蔵の中でも重要な存在です。
腎も脾も足に重要穴が存在します。
ツボの組み合わせを配穴といいますが、腎と脾の組み合わせに肝も合わせた配穴で腎臓病や糖尿病を治すことができます。
大学病院時代に、透析後にしばらく横になっていないと動けない患者様を何人も受け持っていました。
配穴を使った治療をすると、すぐに回復して元気に帰って行かれます。
また、糖尿病の患者様も、治療する度ごとに血糖値を下げることに成功しています。
一つ一つのツボの効果はわかっていますが、配穴は配穴による新しいツボの効果が期待できます。
東洋医学も日々進歩しています。
これからも、腎臓病や糖尿病以外にも、もっと多くの病気に効果のある配穴を見つけて行きたいと思います。
今回は、後脚の骨盤についての話です。
今までは、後脚を動かすだけであった骨盤の仙腸関節。
二足歩行になったために関節にかなりの負担がかかってきます。
後脚も5つの関節から構成されています。
仙腸関節、股関節、膝関節、足関節、足の指の関節の5つです。
二足になった事で、5つの関節に今までにない負荷がかかってきます。
特に仙腸関節は平面の関節なので、骨盤に上半身の体重がかかると、どうしてもズレてきます。
(四足の時は後脚を動かし安い平面関節が、二足になったことでズレ安く、このことが仇となってしまいました)
ズレてくると、関節周りの筋肉はズレないように収縮します。
収縮により骨を引っ張り上げるので、引っ張られた足は短くなります。
よく左右の足の長さが違う人を見かけますが、関節がズレることが原因です。
こうなると、体が傾きますので、反対方向に側湾したり、膝頭を外に向けたりして高さを調整します。
さらに、左右の足の長さの違いによって、土台となる骨盤が傾くことになり、肩の高さや、頭の向きにまで影響します。
バランスのとれた正常な姿勢を保つため、傾けるなどの調整の負担がピークに達すると、ついに痛みの出現ということになります。
腰痛、膝痛、捻挫は言うに及ばず、肩痛、頭痛、歯痛から眼痛まで、色々なところに影響します。
これらの痛みの原因の元となる骨盤の仙腸関節を治す方法として、やっぱり這い這いがいいのではないでしょうか。
簡単に、いつでもどこでもお家の中でもできますから。