新着情報 | フロント・アンド・リア - Part 43の記事一覧
ハリには、打つ前と後にする儀式のようなものがあります。
刺鍼前に患部を揉む、刺鍼後に患部を揉むというものです。
正確に言うと、打つ前を『前揉撚法』、打った後を『後揉撚法』といいます。
術式によっては、省略される場合もありますが、個人的には行うべきであると思います。
今回はこの2法の内の前揉撚法が、いかに大切であるかを説明します。
(あくまでも個人的な見解ですので悪しからず)
ツボには、ボス穴とザコ穴が存在します。
例えば患者様の訴えで、10箇所の痛みの部位があるとします。
全部に刺鍼しても良いのですが、前揉撚によって数カ所は痛みが消えます。
消えた部位は全てザコ穴です。これにより、かなり刺鍼部位が絞られます。
時間の節約にもなり、治療効率が上がります。
残りの部位にボス穴は存在し、刺鍼すると、ボス穴とザコ穴の違いがわかります。
ボス穴の特徴は、針先からの情報量(反応)でわかります。
ザコ穴には反応があまりありません。
このボスに時間をかけて早く治すこともできますし、ザコも含めて全体的に治すこともできます。
早い段階で治療を始めた場合は前者、かなり時間が経ってからの治療は後者が良いと思われます。
時間が経ったものは、周りにもかなりの悪い影響が出ています。
鍼灸師のことを『鍼を使った気功師』という人もいます。
前揉撚や刺鍼に『気』を使う鍼灸師の治療は、きっとあなたの体や心の悩みを解消してくれることでしょう。
最近は、TVで東洋医学の番組をちょくちょく目にします。
お灸女子やハリジェンヌなる言葉も耳にします。
お灸を手に入れて、ご自分で据える方が増えています。
鍼は流石に素人では無理がありますが、貼るタイプのものなら大丈夫です。
東洋医学のツボのことを経穴と言います。
経穴を結んだものが経絡です。
中島みゆきの歌に『糸』という曲があります。
歌詞の中に『縦の糸はあなた 横の糸は私・・・』というフレーズがあります。
経絡にもこの歌詞のように縦横があります。
縦が経脈、横が絡脈と言います。
お灸や貼るハリの注意点。
縦のあなたは、多少ズレても同系のツボですので効果はありますが、横の私は、ズレると違う系列になってしまうので、効果が変わってきます。
目的にあった治療点に施術してください。
東洋医学には、本治法と標治法という治療法があります。
この本治と標治の2つの武器で病気を治していきます。
西洋医学でいうと原因療法と対症療法にあたります。
鍼灸院にはいろいろな症状の方がお見えになります。
この症状を治すのが標治法です。
時間が経つとまた症状が顔を出します。この繰り返しのパターンです。
何度も通わなくてはいけないのは、武器の一つである標治法しか使わないためです。
原因となるところを治して、症状が起こらないようにするのが本治法です。
原因の治療は五臓六腑に行います。治療の回数は増えますが、確実に症状はなくなります。
こちらの武器のレベルは、かなり高いです。
殆どの鍼灸院は、標治法で治療をしてくれます。
本気で治したいなら、本治法の治療をしてくれる鍼灸院に行きましょう。
その1のまとめで、病気などの内臓系は鍼灸院、怪我などの外傷系は接骨院。
もちろん、両方得意な先生方も多くお見えになりますので、問い合わせた上で受診してください。(あくまでも個人的な見解ですので悪しからず)
それでは、鍼灸院の種類についての説明をします。
病気をガッツリ治す本格派の院と、リラックスや癒しをメインにしたソフト系の院があります。
前者は治療目的なので、場合によっては、少々痛いこともあります。
後者は鍼や灸の心地良い刺激で、疲れた身体を癒やしてくれます。
前者、後者、その両方の3種類です。
ここでは前者の院の話をしていきます。
開業されている先生たちは、得意な分野があります。
例えばスポーツ選手の場合、イチローの水泳は一流か?体操の内村選手は、バレーボールもオリンピック級か?などなど、彼らは、人より秀でた種目が得意で一流の選手たり得ています。
鍼灸もこれと同じ事が言えます。
鍼灸院のホームページにも得意な症状・病名が載っていますので参考にしてください。
あと、何でも治せますという先生もいらっしゃいます。
これは、東洋医学独特の考え方に基づくもので、決して誇張でも偽りでもありません。
東洋医学には、五臓六腑というものがあります。
病気は、この五臓のどれかが関わっていて、そこを調整することで治すというものです。
ではどの臓器が? 大丈夫です。毎回必ず全部治療しているので、問題ありません。
だから、原因不明も関係ないのです。
治療すると、必ず関連したところが、芋づる式に現れてきます。
それを順番に治療していくだけです。
私の大学病院時代の経験から結論を述べます。
いろいろな科からの依頼が、東洋医学診療センターに来ました。
がん患者の病棟からもありましたし、難病に対して東洋医学的アプローチの依頼もありました。
病院内に多くの科がありますが、東洋医学の五臓の治療はオールマイティといえます。
お困りの症状・病気がある方は鍼灸院に是非ご相談ください。
鍼灸院には、大きく分けて2種類あります。
鍼灸を専門とする鍼灸院と柔道整復師の資格も有する鍼灸接骨院です。
鍼灸師という資格は本来はなく、はり師ときゅう師は別の資格です。
ほとんどの人が、両方の資格を持っているので鍼灸師という言い方をします。
巷には鍼灸・整骨院という看板がありますが、この表記は本来使えません。
鍼灸・接骨院が正式名称になります。
鍼灸師には、鍼が得意な先生、灸が得意な先生、両方得意な先生がいます。
柔道整復師の先生は、捻挫・骨折・脱臼など、元々柔道の怪我を治すところから始まっています。
鍼灸・接骨院は、殆どが柔道整復師の技術を得意としていますので、鍼灸もできますといった感じだと思います。(あくまでも私感ですので悪しからず)
例えれば、蕎麦屋のうどん、うどん屋のそばのようなものです。
得意なものがあれば、わざわざ不得手な方を使う必要はないのでは・・・。
中には両方を極めた先生もお見えになると思います。
鍼灸師の中には、鍼を介して気をコントロール出来る方、27種類の脈の違いが分かる方など名人と言われるような技を持った方が多くみえます。
鍼灸に興味のある方や東洋医学的な治療を望む方は鍼灸院。
整形外科のような西洋医学的な治療を受けたい方は、鍼灸・接骨院が良いと思われます。