- 新着情報一覧 - 一人一人の条件を考えない治療は無効である!
西洋医学は、同じ条件を満たしたものや、決められた検査の数値をもとに病名をつけます。
そのため同じ部位に同じ病名、同じ治療法が施されます。
胃が悪ければ消化器内科に行き、目が痛ければ眼科を受診します。
肝臓が悪くて目薬は差しませんし、右手を痛めている患者の左手は治療しません。
東洋医学は、『証に従って、これを治す』と言って、一人一人の体質や病期、条件を考えない治療は無効であると強調しています。
例えば、西洋医学の用語を使えば、同じ部位に凝りや痛みのある肩こりでも、消化器系の肩こりなのか、循環器系の肩こりなのか、はたまた脳神経系の肩こりなのかにより治療の仕方が変わってきます。
先に述べた手の痛みの例は、『巨刺』と言って、右側が痛い時は、左側を治療したほうが良いというやり方です。
取穴(ツボの選択)でも患部と反対にとることは良くあります。
痛みが酷い時などは、痛くない方を先に治療すると、痛い方はかなり治療効果が出ているので、いきなり治療するよりは辛くないです。
また、肝臓と目に関しては、同じグループですので、肝臓の位置のお腹や腰からでも目を治せます。
東洋医学は五蔵が基本ですので、どんな病気や症状でも五つの何処かに属します。
同じ症状でも、どこに属するかによって治療は異なります。
同じグループや関連しているグループ、歪みの程度、出現した部位や痛くなった順番によっても違ってきます。
全く同じ症状を訴える方が100人いても1000人いても治療は決して同じにはなりません。
病名が同じでも治療法は全員異なります。
これは精神的な病においても全く同じです。
病気は単純なものではありません。
いろいろなものが絡まって今の状態を作っています。
パソコンではなく、患者様本人を診ないとどうなっているかわかりません。
時間が経てば経つほど、複雑に絡んできますので、短時間での診断は難しくなります。
先ずは、解いては手繰ってを繰り返します。
そのうちに元凶が見えてきます。
後はここを治せば一安心となります。
昔から東洋医学の治療で治したものは、二度と悪くならないと言われる所以です。